同じ汗でも臭う汗はどうしてなの?


運動をしたり、気温が高いときに汗をかくと「臭い汗」と「にわない汗」があることに気づきます。それはなぜなのか、意外にご存じない方が多いと思います。今回は汗かきさんに注目していただきたい、「汗とにおい」について解説していきます。

汗の目的とタイプについて

汗のにおいについて検証するとき、外せないのが汗の持っている目的です。なぜ汗をかくのか?まずはそのメカニズムに注目してみましょう。

私たち人間は、栄養を摂取し代謝を繰り返し行っています。そのエネルギーは半分以上が実は体温維持に消費されているのです。

つまり人間には、体温調整は欠かせない重要なテーマ。だからこそ、汗の多寡にかかわらず誰しもが汗をかくのです。このことからわかるように、汗をかくのは体温調整が目的です。

また、汗には一般的に“いい汗”と“悪い汗”といわれている2つのタイプがあります。

体温が上がると、血液からミネラル分と水分が汗腺に吸い込まれます。汗として排出されるときに、ミネラル分だけは血液に戻り、水分だけが汗として出てきます。これが汗の正しいメカニズムで、一般的に“いい汗”とされています。

しかし日常生活や食生活が乱れていたり、ストレスにいつもさらされているなどの場合、交感神経や汗腺の動きが鈍っていることがあります。この場合、血液に戻るはずの大切なミネラル分が水分と一緒になって汗として体外へ排出されてしまいます。

必要な成分が体から失われるのでさまざまな不調を引き起こすことがあり、これが“悪い汗”といわれています。

「エクリン腺」と「アポクリン腺」のちがい

汗が出てくる汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」という2つがあります。

個人差がありますが、エクリン汗腺は体中に平均350万個あるといわれています。体中万遍なくありますが、特に集中している箇所が手のひら、足の裏、額です。

先にも述べた通り、人間に欠かせない発汗とは、このエクリン腺が正しく機能してくれているからなのです。最大目的である「体温調整」のほかに「皮膚の乾燥防止」や「腎臓機能の補助」なども持っています。

このエクリン汗腺が活発になるときには3つの理由があります。

1.体温が上昇したとき(温熱性発汗)
2.ストレスなどを感じたとき(精神性発汗)
3.刺激のあるものを食べたとき(味覚性発汗)

特徴としては99%が水分でできている汗なので、サラサラとしており、長時間放置などして雑菌が繁殖しない限りはほとんどにおいません。

一方、アポクリン腺は、フェロモンのような役割を持つ汗を出すための汗腺だといわれています。限られた場所に分布している汗腺で、脇の下、陰部、耳の中、乳輪、肛門などにあります。よくいう「臭い汗」とはほとんどがアポクリン腺から発する汗です。

人種や個人によりさまざまですが、日本人の場合は、水分のほかに、アンモニア、鉄分、脂質などが含まれていることが多いようです。

特徴としては粘度があり、ベタベタしています。さらに頻繁に手入れしにくい箇所に集中しているため、悪臭を発します。また、アポクリン汗腺数が多い人や、汗腺自体が大きな人がいますが、その場合はいわゆる“ワキガ”になりやすいともいわれています。

「臭い汗」と「におわない汗」のまとめ

ここまで読んでいただいた内容をまとめると以下のようになります。

・発汗は人間に欠かせない重要なメカニズムのひとつである
・汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類がある
・エクリン腺から出る汗は99%が水で、あまりにおわない
・アポクリン腺から出る汗はフェロモンやいろいろな成分が含まれているため臭い

汗腺の働きが鈍っている方の場合は、エクリン腺から出る汗にも、ミネラルなどが含まれていることがあります。ですので当然ながら長時間放っておくと雑菌がたまり、臭い汗になることもあります。

今までなんとんなく「臭い汗」と「にわない汗」があるなぁ~と感じていた方、今回の解説で無事理解が得られたなら幸いです。

それにしても総じていえるのは、汗臭いのが嫌ならば、定期的な運動や食生活の改善が必要だということです。また、休息時間を増やすなどして、ストレスから身を守るための生活改善が必要になりそうな方もいるかもしれませんね。

しかしこれらをすぐに実行するのはなかなか難しいこと。現在は汗対策用にさまざまなケア商品が販売されているので、それらを活用してみるのもいいと思います。

コメントは受け付けていません。